燻製|基礎知識

燻製を作る方法は何種類ある?燻煙法の特徴や違いを徹底比較

この記事では、燻製を作る方法の種類について、解説をしていきます。

一言で燻製と言っても、スモークする(燻す)温度や時間によって、熱燻、温燻、冷燻という3つの燻製方法があります。

燻製方法は、食材に合わせたり、つけたい風味や食感によって使い分けるのが燻製料理。

中でも温燻は、10分程度の時間スモークするだけで、うまみが倍増する魔法の料理です。

この記事では、スモークの温度や時間によって分かれる3つの燻煙方法について、違いや特徴を解説していきます。

燻製を作る方法は「燻煙法」で種類が分かれる

燻製を作る方法は、「燻煙法」によって種類が分かれます。

燻煙法とは、食材をスモークする(燻す)方法です。もっと簡単に言えば、食材への煙のあて方で、燻製は大きく3つの種類に分かれます。

<燻製の3つの種類>

  1. 熱燻
  2. 温燻
  3. 冷燻

熱燻、温燻、冷燻の違いとは、簡単にいうとスモークする(燻す)温度の違いです。

たとえ同じ素材であっても、スモークする方法が違うと保存性や風味に大きな差が出てきます。

また同じ燻製でも、燻製の種類によって必要な道具や環境も変わってきます。

熱燻、温燻、冷燻の温度と時間の目安がこちら。

熱燻 温燻 熱燻
温度 80℃~140℃ 30~80℃ 15~25℃
時間 5分~1時間 1~6時間 1日以上
保存期間 短期間 長期間
作れる時期 通年 通年 冬季

スモークする種類は複数ありますが、初心者は温度管理が簡単で、かつ時間も短い熱燻から始めるのがオススメ。

ここからは3つの違いを詳しく解説していきます。

燻製を作る方法①熱燻

熱燻は80℃~140℃という高温で、5分から1時間程度の短い時間でスモークする方法です。

イメージは燻煙をかけて燻すというよりも、燻煙を掛けながら蒸し焼きにすると思っていただいた方が近いかも。

バーベキューでは炭に火をつけて食材を焼き上げますが、そこに蓋をして香り付けをしながら蒸すのが熱燻です。

色や香りつきはいいのですが、食材の中には水分が残るため長期保管には不向き。

ただ、短時間で作ることができ、道具もスモーカーはもちろん、家にあるフライパンやスキレットオーブンなど、専門の道具がなくてもできるため初心者には最適です。

これから燻製を始める人は、まずは熱燻をチャレンジしてみましょう!

燻製を作る方法②温燻

温燻は30℃~80℃、1時間~6時間ほどの燻煙をかける方法です。

燻製と言えば温燻を指すと言ってもいいくらい、代表的な燻製方法。

熱燻よりも時間をかけて燻製をするため、食材のより内側まで風味が染み込みジューシーな味わいが楽しめます。

しかし時間をかけると言っても、数時間程度のため食材の中には水分が多く残ります。そのため保存ができても、せいぜい3日~4日ほど。

燻製を楽しむには最適な燻製方法ですが、長期保管には不向きです。

温燻をするには、熱源となるチップやウッドから食材を離す必要があるため、一斗缶サイズ中型スモーカーがあると便利です。

燻製を作る方法③冷燻

冷燻は15℃~25℃という低温で、長期間、燻煙を掛ける方法です。

燻煙をかける期間が長くなると、同時に乾燥も進みます。そのため仕上がりは、水分のないハードなモノになるのが一般的。

また冷燻は長期間、燻煙をかければできるわけではありません。

15℃~25℃という低温で燻煙をかけるため、気温が高まる春、夏、秋では温度調整ができないため、冷燻には不向きの期間。

実際に冷燻を作れるのは、標高の高い高原や、雪の降るような平均気温の低い土地に限られます。

また低温を保つには、気温が低いことに加えて容量の大きなスモーカーも必要に。

温度管理が難しく、大きな燻製器も必要なことから、冷燻が上級者向きとされる理由です。

まとめ:初心者は熱燻をまずやってみて!

この記事では燻製を作る方法について、燻煙法から3つの種類を紹介しました。

要点まとめ
  • 燻製はスモークする温度の違う3つの方法がある
  • 100℃を超える高温、かつ短時間で煙を掛ける熱燻
  • もっとも一般的な温燻
  • 20℃の低温で、数日の間も煙をかける冷燻

本来は食材にどのような風味をつけたいかによって、燻製の方法は使い分けます。

初心者の方なら、まずは短時間、かつ家にある調理器具でスモークできる熱燻を使った調理を初めて見るのがオススメです。